
マンションでも内窓はつけられる?福岡の管理規約・費用・補助金の実際
WRITER

藤川 剛史
環境省認定うちエコ診断士
断熱気密一筋で、自ら数多くの現場施工に携わってきた断熱のプロ。断熱リフォーム専門店ならではの確実な技術で、お家の温熱環境を根本から改善します。
「真心込めた提案で、お客様の生活を豊かにする」を第一のポリシーとし、既存住宅の断熱リフォームを通して地球環境問題の改善にも取り組んでいます。
分譲マンションの窓は共用部分にあたるため、サッシやガラスを自分の判断で交換することはできません。ただし、室内側にもう一枚窓を足す「内窓」であれば設置できるケースが多くあります。この記事では、管理組合への確認手順、内窓がつけられない例外、福岡での費用の目安、補助金が使えるかどうかまで、事前に知っておきたい点を整理しました。
ネット上には「内窓は専有部分の工事だから管理組合の許可は不要」と書かれた記事も見られますが、これは正確ではありません。マンション標準管理規約では、内窓の増設も開口部の改良工事として扱われ、理事長への申請と承認が必要とされています。
とはいえ、承認さえ得られれば内窓は現実的で効果の高い選択肢です。順に見ていきましょう。
前提:マンションの窓は「共用部分」

マンション標準管理規約では、窓枠および窓ガラスは専有部分に含まれないと定められています。つまり、住戸の中にあっても窓は共用部分という扱いです。
一方で、その住戸の居住者だけが日常的に使うものであるため、窓には「専用使用権」が設定されています。通常の使用の範囲で破損した場合は、その住戸の負担で修理するのが一般的です。
ここから導かれる結論は次のとおりです。
サッシごとの交換(外窓交換) → 共用部分の変更にあたるため、原則として個人では実施できません
ガラスのみの交換 → こちらも共用部分にあたるため、原則として個人では実施できません
内窓の追加 → 既存の窓には手を加えず、室内側に新しい窓を足す工事。実施できる可能性が高いのはこの方法です

では内窓なら勝手につけていいのか——答えは「いいえ」
ここが誤解の多いポイントです。
マンション標準管理規約の第22条は「窓ガラス等の改良」を定めた条文で、防犯・防音・断熱性能の向上を目的とした開口部の改良工事は、本来は管理組合が計画修繕として実施するものとされています。
そのうえで第2項では、管理組合が速やかに工事を実施できない場合に限り、区分所有者は理事長に申請して書面による承認を受けたうえで、自らの責任と負担で工事を行うことができると定められています。
そして、この「改良工事」の具体例として、既設サッシへの内窓または外窓の増設が挙げられています。
つまり標準管理規約に沿って運用されているマンションであれば、内窓の設置にも理事長への申請と承認が必要というのが原則です。
もっとも、実際の運用は管理組合によって幅があります。届出のみで済むケース、理事会での決議が必要なケース、あらかじめ内窓設置のルールが整備されているケースなどさまざまです。まずはご自宅の管理規約を確認することが出発点になります。
管理組合への確認の進め方
手戻りを防ぐため、次の順序で進めるのが確実です。

ステップ1:管理規約と使用細則を読む
「専有部分の修繕等」「窓ガラス等の改良」にあたる条文を確認します。内窓について明記されていることもあれば、開口部の改良として包括的に書かれていることもあります。
ステップ2:管理会社に問い合わせる
規約を読んでも判断がつかない場合は、管理会社の担当者に「内窓を設置したいが、申請は必要か。必要なら何を提出すればよいか」と確認します。過去に同じマンションで施工例があるかも聞いておくと話が早く進みます。
ステップ3:必要書類をそろえる
一般に求められるのは次のようなものです。
工事申請書(管理組合の指定様式)
設置する内窓の仕様書・カタログ
施工業者の情報
工事日程、搬入経路、作業時間帯
ステップ4:理事長の承認または理事会の決議を得る
理事会は月1回程度の開催であることが多いため、申請から承認まで1か月前後を見込んでおくと安心です。
ステップ5:工事日程の調整と近隣への周知
承認後、管理組合や管理人と搬入・作業時間を調整します。
現地調査の前に管理規約の確認を済ませておくと、全体がスムーズに進みます。弊社にご依頼いただく場合も、必要書類の準備についてはご相談いただけます。
内窓がつけられない・制約が出るケース
承認の問題とは別に、物理的・法的に制約が出る場合があります。

窓枠の奥行きが足りない
内窓を取り付けるには、窓枠の内側に一定の奥行きが必要です。足りない場合は「ふかし枠」で調整しますが、その分だけ窓まわりが室内側に数センチ出る形になります。
防火設備の指定がある
建物の立地や構造によっては、窓に防火性能が求められている場合があります。この場合、設置できる内窓の種類が限定されることがあります。
窓の形状が特殊
出窓、ルーバー窓、コーナー窓など、形状によっては標準的な内窓が納まらないことがあります。
避難経路になっている窓
バルコニーの避難ハッチや隔て板に関わる位置の窓は、避難の妨げにならないよう配慮が必要です。
いずれも現地調査で確認できる内容です。判断がつかない段階でご相談いただいて構いません。
マンションの内窓リフォームの費用と工期
内窓の費用は、窓のサイズとガラスの性能グレードによって決まります。
項目 | 目安 |
|---|---|
1窓あたりの費用 | 5万円〜15万円程度(小窓は3万円台から) |
1窓あたりの工期 | 半日〜1日 |
リビング+寝室など複数箇所 | 窓数・サイズ・ガラス性能により変動 |
採寸から施工までの期間 | 数週間(受注生産のため) |
※実際の金額は現地調査のうえでのお見積もりとなります。部位別の詳しい相場は「福岡の断熱リフォーム費用相場」の記事もあわせてご覧ください。
工事当日について、マンションで気になるのは搬入と騒音でしょう。内窓は既存の窓枠に下地を取り付けて本体をはめ込む工法のため、壁を壊す解体工事は発生せず、大きな騒音や粉じんはほとんど出ません。搬入するのは内窓本体とサッシ部材で、エレベーターに載る寸法に分割されて運ばれます。
補助金は使えるのか
使えます。2026年時点で実施されている「先進的窓リノベ2026事業」は、戸建住宅だけでなくマンション(共同住宅)の住戸も補助の対象です。
内窓の設置は、サイズ・性能グレードにより1箇所あたり22,000円〜140,000円
1申請あたりの合計補助額が5万円未満の場合は申請できません
対象工事は2025年11月28日以降に着手し、2026年12月31日までに完了するもの
交付申請は登録された施工業者が行います
マンションで注意したいのは、補助金の申請よりも先に管理組合の承認が必要になる点です。承認に1か月前後、採寸から施工までにさらに数週間かかるため、逆算するとスケジュールは意外とタイトです。制度の詳細は「先進的窓リノベ2026」補助金の記事をご覧ください。
なお補助金は予算に達し次第、受付が前倒しで終了する場合があります。2026年8月時点の予算執行率は18%ですが、需要は秋以降に高まります。

賃貸マンションの場合は?
賃貸物件では、貸主(オーナー)の許可が必要です。内窓は建物に固定する工事のため、原則として借主の判断だけでは設置できません。
ただし、内窓は建物の資産価値を高める設備でもあるため、断熱性能や結露対策を理由に相談すると、オーナー側が費用を負担して設置するケースもあります。まずは管理会社を通じて相談してみるとよいでしょう。
退去時の原状回復が条件になる場合もあるため、設置前に費用負担と退去時の扱いを書面で確認しておくことをおすすめします。
まとめ
分譲マンションでは、サッシやガラスの交換は共用部分の工事にあたるため個人ではできませんが、室内側に足す内窓であれば設置できるケースが多くあります。
ただし「専有部分だから自由にできる」というのは誤りで、マンション標準管理規約では内窓の増設も第22条の改良工事にあたり、理事長への申請と承認が必要とされています。実際の運用は管理組合ごとに異なるため、まずは管理規約の確認から始めてください。
承認に1か月前後、採寸から施工までに数週間。補助金の工事完了期限も考えると、動き出しは早いほど安全です。
ミライ福岡では、福岡市内・福岡県内のマンションの内窓リフォームについて、現地調査とお見積もりを無料で承っています。「うちのマンションで設置できるか分からない」「管理組合への申請が不安」という段階でも構いません。お気軽にご相談ください。
出典
国土交通省|マンション標準管理規約(単棟型)第22条(窓ガラス等の改良)
経済産業省・国土交通省・環境省|住宅省エネ2026キャンペーン
YKK AP株式会社|先進的窓リノベ2026事業
WRITER

藤川 剛史
環境省認定うちエコ診断士
断熱気密一筋で、自ら数多くの現場施工に携わってきた断熱のプロ。断熱リフォーム専門店ならではの確実な技術で、お家の温熱環境を根本から改善します。
「真心込めた提案で、お客様の生活を豊かにする」を第一のポリシーとし、既存住宅の断熱リフォームを通して地球環境問題の改善にも取り組んでいます。
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